2025年4月1日より、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」の経過措置が終了し、企業は65歳までの雇用確保が完全に義務化されます。


65歳までの雇用確保が義務化される背景
少子高齢化による労働力不足が深刻化する中、シニア人材の活用が重要視されています。 企業の約7割が「シニア活躍は重要」と認識しており、特に大企業ではその割合が84.9%に達しています。 また、シニア層自身も「健康維持」や「生きがい」として働くことを望む傾向が強まっています。

企業が講じるべき具体的な措置
企業は以下のいずれかの措置を講じる必要があります。
1. 定年年齢の65歳への引き上げ:定年を60歳から65歳に引き上げることで、安定的な人材確保と従業員の長期的なキャリアプランを支援します。
2. 定年制の廃止:定年という概念を廃止し、能力や意欲に応じて働き続けられる環境を整備します。
3. 65歳までの継続雇用制度の導入:定年後も希望者全員が65歳まで働ける再雇用制度や勤務延長制度を設けます。

就業規則の見直しと賃金制度の調整
これらの措置を実施するにあたり、就業規則の改定が必要となります。 また、2025年4月からは「高年齢雇用継続給付」の支給率が最大15%から10%に縮小されるため、賃金制度の見直しも重要です。 処遇低下を防ぐため、段階的な賃金調整や福利厚生の充実などの対応が求められます。
助成金制度の活用
65歳以上への定年引き上げや定年制廃止を行う企業には、「65歳超継続雇用促進コース」などの助成金が用意されています。 これらの制度を積極的に活用し、シニア人材の活躍推進を図ることが重要です。


まとめ
2025年4月の法改正により、企業は65歳までの雇用確保が義務化されます。 シニア人材の豊富な経験や知識を活かすことで、組織の持続可能な発展が期待できます。 各企業は早急に対応策を講じ、シニア世代と共に未来を創る職場環境を整備していくことが求められます。
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