◆ 事件の概要
政治団体「NHKから国民を守る党(N国党)」党首の立花孝志氏が、兵庫県議会議員だった竹内英明 元県議(2025年1月に死亡)の妻から、名誉毀損の疑いで刑事告訴されたことが報じられました。
告訴状によると、立花氏は街頭演説やYouTubeなどの動画配信で
「竹内氏が警察の取り調べを受けている」
「黒幕である」「逮捕される予定だった」
などと発言したとされます。
これらの発言が「事実無根であり、故人の名誉を著しく傷つけた」として、遺族が刑事告訴に踏み切りました。
竹内氏の妻は、
「夫は自ら命を絶ったのではなく、社会的に追い詰められた結果だ」
と訴えています。
◆ 同時に進む民事訴訟も
この件とは別に、兵庫県議の丸尾牧氏も立花氏を相手取り、
「虚偽の事実で名誉を傷つけられた」として1100万円の損害賠償を求めて提訴しています。
複数の名誉毀損問題を抱えるN国党党首の発言スタイルが、改めて問われています。
◆ 名誉毀損とは?
名誉毀損罪は刑法230条に定められており、
「公然と事実を摘示して他人の社会的評価を低下させる行為」が対象です。
ただし、
公益性(社会的意義がある) 真実性(事実である) 真実相当性(事実と信じる相当な理由がある) が認められれば、違法性が阻却される場合もあります。
今回の件では、立花氏の発言が「虚偽」であり、「被害者の死を誘発した」と主張されているため、公益性の有無や発言の正確性が大きな争点となりそうです。
◆ 政治家とSNS発信のリスク
近年、政治家によるSNS発信や街頭演説動画の拡散により、
「発言の自由」と「名誉の保護」が衝突するケースが増えています。
政治的批判は許される範囲が広い一方で、
個人の名誉を傷つける内容であれば、刑事告訴や民事訴訟に発展する可能性があります。
特に影響力の大きい政治家や政党代表は、発言により社会的影響が大きいため、
慎重な言葉選びが求められます。
◆ NHK党への影響
立花氏は、YouTubeやSNSを活用して注目を集めてきましたが、
今回の刑事告訴は党への信頼や支持層にも影響を及ぼす可能性があります。
政党代表の発言が訴訟や告訴に発展した場合、
党のイメージや資金調達にも影響が及ぶため、
今後の動向に注目が集まります。
◆ 今後の展開
兵庫県警が告訴状を受理したことを受け、
今後は立花氏の事情聴取や、発言内容の裏付け調査が進められる見通しです。
立花氏本人は「白黒つける良い機会だ」と発言しており、
争う姿勢を見せています。
◆ SNS時代に問われる“発言の責任”
今回の件は、政治家に限らず私たち一般人にとっても教訓となります。
SNS上での発言が、意図せず他人の名誉を傷つける可能性があるため、
「情報の真偽を確かめてから発信する」ことが求められます。
誹謗中傷やデマ拡散が社会問題となる中で、
「表現の自由」と「他者の尊厳を守る意識」を両立させることが重要です。
◆ まとめ
立花孝志氏の名誉毀損問題は、
政治家の発言・SNS時代の情報発信における“責任の重さ”を浮き彫りにしました。
司法判断がどう下されるのかに注目が集まりますが、
同時に私たち一人ひとりも「言葉の影響力」について改めて考える時期に来ているのかもしれません。

