JR東日本のプレスリリースで、山形県内で内陸と海側を結ぶ唯一の路線である陸羽西線が、2022年5月14日から2024年度まで、全線で列車運行を取りやめ、代行バスによる運転を行うと発表があり、急遽乗ってきました。
陸羽西線とは
山形県新庄市の新庄(しんじょう)駅から同県東田川郡庄内町の余目(あまるめ)駅までを結ぶJR東日本の鉄道路線です。「奥の細道最上川ライン」の愛称が付けられており、路線の大部分は最上川沿いを走ります。川沿いを走る区間では最上川の渓谷を車窓から見ることができます。
だいたいの位置関係は次の地図の通りです。東京方面からは、福島駅で分岐する山形新幹線で新庄駅まで一本で来れます。
海沿いの庄内地方は、山形県内では陸の孤島と化しており、都心と短時間で結ぶ構想が浮かんでは消えしていますが、陸羽西線のミニ新幹線化もその一つでした。
代行バス運行となる理由
プレスリリースによると、陸羽西線と並走する国道 47 号線のトンネル工事が、陸羽西線のトンネル直下で交差させる工事となることから、安全を確保できないのと、該当する区間だけをバスにして、他は列車運行とすると、運休区間が陸羽西線の真ん中に位置するため、新庄からと余目からの折り返し区間が二つ生まれ、車両が倍必要となることから、コスト高となる点から、全線で運転を取りやめ、バス代行となるもの。線路と関係ない道路工事のせいで、列車が止まるなんて・・・
廃止後恒久的なバス転換への布石?
国道と並走しているというのがミソで、多くの地方のJR線は、ほぼ赤字経営となっており、何か理由さえつけば、廃止してバス転換したくてうずうずしているのがJR各社の現状ではないかと思われます。
今回の陸羽西線の一件は、まさにその一例。運休中の2年の間に、沿線住民がバスに慣れてしまい、「もうバスでよくね?」となってしまうのをJR東日本は狙っているのではないか。そう思わずにはいられません。
とはいえ、民間企業である以上、利益が出ないものを維持していくのは困難なのも理解できます。実際のところ、陸羽西線の利用状況は、JR発足時の1987年から見ると利用者が10分の1以下となっているのが実情です。
- 1987年度:2,185人
- 2010年度:488人
- 2011年度:456人
- 2012年度:403人
- 2013年度:403人
- 2014年度:409人
- 2015年度:391人
- 2016年度:389人
- 2017年度:401人
- 2018年度:345人
- 2019年度:343人
- 2020年度:163人
鉄道を残せ!というのは、単なる鉄道ファンのエゴなのでしょうか・・・今は乗れるときに乗っておくしかない!
車窓からの眺め
しばらく見納めとなってしまう、車窓からの眺めをお届けします。
山をバックにのどかな田園風景の中を突っ切る!これだけでもたまりませんが。
最上川を横目に、山肌ギリギリを攻める!ここに線路をひくのに、先人たちはどれだけ苦労したのか・・・大げさですが、男の仕事、生き様!みたいなものを感じます。
まとめ
2022年5月14日から2024年度まで運休、バス代行輸送となる陸羽西線。2年後復活してくれることを祈るばかりです。
今回は、廃止への布石か?代行バス前の陸羽西線に乗ってきた、をお送りしました。
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