道東の大動脈「根室本線」。その一部区間の廃止が確定し、いつ廃線となってもおかしくない状況です。
今回はその対象区間、根室本線の富良野(ふらの)-東鹿越(ひがししかごえ)間と、既に代行バスとなり、2度と線路上を走る事ができなくなった東鹿越-新得(しんとく)間を、列車とバスを乗り継いで完乗する方法と、車窓の見所、途中のターミナル駅富良野の名所、グルメ情報をお送りします。
台風被害により寸断された、かつての大動脈路線、根室本線の概要と部分廃止の経緯
根室本線は、函館本線の滝川駅から帯広、釧路を経て、根室駅までを結ぶ全長443.8キロの長い路線です。
1900年(明治33年)12月2日に開業し、1921年(大正10年)8月5日の全線開通した歴史ある路線ですが、現在全線を列車で走破する事はできなくなってしまいました。
2016年(平成28年)8月31日の台風被害によって、東鹿越(ひがししかごえ)駅-新得(しんとく)駅間(上図矢印付近)が代行バスによる運行となったためです。
元々1981年(昭和56年)10月1日に石勝線が開通したことで、札幌から新得を経て帯広、釧路を結ぶ主要路線は、根室本線から石勝線に代わり、根室本線は利用者が激減。
JRが単独維持困難路線として発表した矢先の台風被害で、JRは復旧を断念。現在鉄道輸送が存続している富良野-東鹿越間も含めた、富良野-新得間を廃止し、バス転換される事が周辺自治体の合意の上、決定しました。
廃止時期は未定ですが、2023年度中と言われています。
難易度最強!富良野-新得間完全乗車の道のり
今回のターゲットである根室本線、富良野-新得間を乗車するには、まず富良野に行く必要があります。では富良野から新得方面の列車は何本あるかというと。。。
なんと4本のみ!
富良野に宿泊していない限り、1番列車は不可能。車窓を眺める事を考えると、14時19分発の一択!これは難易度超高いです。
早速札幌を起点として完乗する方法を書いていきます。
札幌から根室本線の起点、滝川駅そして富良野駅へ
JRで札幌から富良野に行く方法は、函館本線で旭川まで行って、旭川から富良野線に乗るか、途中の滝川駅から根室本線で行くかの2通りあります。
しかし、実は富良野線も本数が極端に少なく、JRだけを使い、富良野にちょうどいい時間に付ける方法は次のただ1つ!
しかも、富良野発新得行は14時19分。3時間半ほど富良野で待つことに。難易度が高いのはこのためです。
今回は、すべての工程をJRで移動するため、HOKKAID LOVE !6日間周遊パスがお得です。詳しくはこちらをどうぞ。
まずは札幌からライラック5号に乗り込みます。
函館本線の旭川行き特急は、ライラック号とカムイ号で1時間に1本ペースで設定されている事もあり、非常に線路が良く、揺れも少ない快適路線。あっという間に滝川駅へ到着。
滝川駅では17分待ち。昔ながらの記念スタンプがあるので、ゲットしておきましょう。
ちなみに駅スタンプの収集にはこちらが便利です。駅だけでなく様々の場所のスタンプは全部こちらに押して、旅の思い出を残しましょう。
価格:740円 |
根室本線ホームは1番ホーム。なんと別名「タラコ」と呼ばれるキハ40の国鉄色がお出迎え!
空知川(そらちがわ)沿いを走る根室本線。車窓を眺めるなら、空知川を眺められる、進行方向左側に座りましょう。
滝川駅を出て、1時間程で富良野駅に到着!
富良野は地理的に、緯度と経度でちょうど北海道の真ん中にあたるそうで、それにちなんだ北海へそ祭りが7月に行われます。
富良野駅にもスタンプ発見!早速ゲット。
富良野駅周辺の名所とグルメ3選
次の列車まで3時間半待ちになるので、寄り道時間はたっぷり。富良野駅付近の名所とグルメをご紹介します。
まるで異世界に迷い込んだよう。透明度抜群の沼に癒される「鳥沼公園」
駅から車で約10分の場所にある鳥沼公園。自然が綺麗という事で早速行ってみました。ちなみに歩くと1時間。天気が良かったので散歩がてら歩いて行くことに。
鳥沼公園への道は1歩道。都会では絶対味わえない光景が広がります。
途中目に付いた謎のコンテナ郡。何なんだろうとおもいきや。。。
なんと中には玉ねぎがビッシリ!この辺りは玉ねぎ畑で、このコンテナは収穫された玉ねぎでした!丸々太って美味しそう。
玉ねぎの次は1面のひまわり畑!次の玉ねぎの収穫のためにひまわりを植える事で、玉ねぎの生育に効果があるとか。
歩き疲れも消し飛ぶ癒しの光景!
鳥沼公園に到着。見どころは沼の透明度の高さ!ゆっくり散策して自然に癒されます。
ボリューム満点!大自然の恵み「FURANO BURGER フラノバーガー」
鳥沼公園のすぐ近くに、ご当地バーガーのお店、フラノバーガーがあります。自然の中で食べるボリューム満点のハンバーガーは最高!
名物オムカレーに長蛇の列!「唯我独尊(ゆいがどくそん)
富良野駅近くにもグルメの有名店があります。それが唯我独尊(ゆいがどくそん)のオムカレー。駅前にはほとんど人影が無い中、この店だけ長蛇の列!人気の高さがうなずけます。オムレツとカレーの相性バッチリ!是非食べに行きたいお店です。
列車の待ち時間の過ごし方としては、次の行程を提案します。
- 唯我独尊でオムカレーを食べる
- タクシーで鳥沼公園に行く
- フラノバーガーをテイクアウトし、タクシーで富良野駅に戻る
唯我独尊ですぐに食べる事ができたら、鳥沼公園の片道は歩いて行ってみるのもいいかもです。
富良野から東鹿越を経て新得へ
富良野を散策後いよいよ本番。新得へ向けて出発!列車は滝川駅から乗ってきた車両がそのまま使われていました。
車窓のメインイベントは、東鹿越駅近くのなかやま湖沿岸。進行方向左側に乗りましょう。
新得駅に到着すると、バスがすでにスタンバイしています。席は自由なので、好きなところに座りましょう。
次の幾寅駅に向かう途中、踏切を通りますが当然列車は来ません。踏切の向こうには放置され自然に還る根室本線の姿を見ることができます。
映画「ぽっぽや」の舞台「幾寅(いくとら)駅」
代行バス最初の駅が幾寅駅。ここは1999年公開の映画、鉄道員(ぽっぽや)の舞台となった駅で、至る所に映画の痕跡があります。
映画では幌舞(ほろまい)駅として登場しています。
駅の周りを時計回りにぐるっと回るので、進行方向左側に乗ると車内から撮影しやすいです。
難所狩勝峠(かりかちとうげ)への入り口「落合駅」
幾寅駅の次は落合駅。こちらも二度と列車が来ることはありません。立派な駅舎だけに非常に残念です。
こちらも進行方向左側に乗ると撮影しやすくなります。
日本三大車窓の1つ。雄大な狩勝峠の眺め
次の駅は終点新得駅ですが、その途中に、日本三大車窓に数えられる狩勝峠(かりかちとうげ)があります。バスからは進行方向右側に乗ることで、一瞬ですが、見ることができます。動画で撮っておくといいかもしれません。
北海道の重心、鉄道の要所「新得駅」
代行バスの終点、新得駅に到着。富良野は北海道のへそでしたが、新得は北海道の重心点。
人差し指を新得にあてて、北海道を持ち上げるとちょうど釣り合うんだとか。
新得駅にもスタンプがあるので、こちらもゲット!
18時18分発、おおぞら10号で札幌へ。これで完全乗車達成です!
まとめ
根室本線、富良野-新得間は廃線間近。富良野発新得行き列車の発車まで、富良野で唯我独尊のオムカレーを食べたら、鳥沼公園で腹ごしらえ、フラノバーガーをお土産に新得までの旅はいかがでしょう。
今回は、【2022年】廃止間近の北海道根室本線を行く。富良野-新得間を完乗する方法、をお送りしました。
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